
腱板損傷
腰椎分離症
突き指
野球肘・テニス肘・ゴルフ肘
肉離れ・足関節捻挫・アキレス腱周囲炎
靭帯損傷・シンスプリント
スポーツで多いケガ 症状&治療方法
腱板損傷
回旋筋腱板(ローテーターカフ)は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋から構成されています。
この回旋筋腱板には肩関節を安定させ、円滑な肩の運動をサポートする機能があります。
ケガをする主なスポーツ
野球・水泳・テニス・バトミントンなど、肩を使うスポーツ
腱板損傷の原因
腱板断裂には、腱板に強い力が加わって切れる外傷性のものと、腱板が弱くなり自然に切れる非外傷性のものがありますが、どちらも、加齢に伴う腱板の変性が関係しています。
そのため、腱板断裂は、50歳以降の人に多く、肩をよく使う人にも発症します。
スポーツでは水泳などに多く肩を回す繰り返しの動きで発症します。
腱板損傷の症状
肩の運動痛、運動制限、夜間痛、安静時痛などがみられます。
日常生活では洋服の着脱がスムーズにできなくなり、ひどい状態になると支えてあげれば腕を挙げることができるが自分の力では腕を挙げることができなくなります。
腱板損傷の治療

急性時には、安静・アイシング・テーピング固定を行います。
落ちついてきたら症状に合わせて理学療法、電気療法、マッサージを行います。
予防の為にストレッチで可動域改善、インナーマッスルの強化を行います。
腰椎分離症
骨形成が完全に完了していない成長期である小・中学生に多いケガです。
ケガをする主なスポーツ
ランニング・体操・野球・テニスなど、腰を反らしたり捻ったりするスポーツ
腰椎分離症の原因
骨が完全に形成される前に負荷の許容範囲を超えて疲労骨折をおこし、それが原因で分離症となり、その後すべり症を起こします。
腰椎分離症の症状
激しい腰の痛み、腰下が抜けたような感覚、腰が据わらない(上半身を支えられない)、慢性期に入るとしびれ(坐骨神経痛)がおこります。
腰椎分離症の治療

急性期は安静、アイシングを行います。少し落ちついてきたら理学療法、手技療法を行います。
筋肉が固まっていることが多いのでストレッチ、予防の為腰回りの筋肉を鍛えるトレーニングの指導などを行っていきます。
突き指
指先から縦軸方向に力が加わって起こる様々な外傷の総称の事を言います。
もっとも多いスポーツ外傷の一つです。
ケガをする主なスポーツ
野球・バレーボール・バスケットボールなど、素手でボールを扱うスポーツ
突き指の原因
球技でボールを受け損なった時、転倒して指を突いた時に多いです。
突き指の症状
腫脹、疼痛、変形が主訴となります。局所を押すと圧痛もあり運動障害を伴います。
変形が強い場合は脱臼、骨折を疑います。
突き指の治療

急性期は安静・アイシングを行います。
その後、保存療法が可能な場合は副子か装具で固定を行います。
重症の場合は外科的手術になります。
野球肘
ジュニア期の野球をしている人に多く発生します。
内側型と外側型に分けられ、外側型は酷くなった場合、関節遊離体(関節ネズミ)を発症してしまい、野球を続けることができなくなる場合もあるので注意が必要です。
ケガをする主なスポーツ
野球・ソフトボールなど、肘に負担が掛るスポーツ
野球肘の原因
ほとんどがオーバーユース(使いすぎ)です。
成長期は骨軟骨や筋肉が繰り返しの刺激にたいへん弱くその上投球フォームも関係してきます。
内側は引っ張りの力が起き、外側は軟骨どうしが圧迫される力が起き、さらに捻れ、剪断力も加わります。
野球肘の症状
炎症による熱感、部分的に刺すような痛み、関節可動域の制限がみられます。
ボールを投げる際に肘の曲げ伸ばしが完全にできなかったり、力を入れる動作で痛みが増す場合は野球肘となっている可能性が高いでしょう。
野球肘の治療

急性時には安静・アイシングを行います。症状がおちついてきたら症状にあった理学療法・電気療法・マッサージを行います。
痛みの原因のほとんどが筋肉であるので、柔軟性をあげ血流をよくし早期回復に努めます。
テニス肘・ゴルフ肘
上腕骨外顆には手関節・手指伸筋が起始しています。
これらの筋を繰り返し使うことにより炎症、微小な断裂を生じて痛みをきたします。
ケガをする主なスポーツ
テニス・スカッシュ・バトミントン・卓球などのラケットスポーツ、それ以外でもゴルフ・剣道など肘に負担が掛るスポーツ
テニス肘・ゴルフ肘の原因
テニスのストロークなどの繰り返し動作により骨と腱の付着部に負担がかかり発生します。
テニスをされてる方ももちろんですが、テニスをしてないという方も診断される場合があります。
長時間のパソコン作業など手先を使う動きでもなりえます。
テニス肘・ゴルフ肘の症状
テニスのラケットをバックハンドでにぎり、ボールを打った瞬間に肘に痛みがみられたり、肘を伸ばした状態で物を持ち上げると痛みが出たりします。
安静時痛はみられないことが多いです。
テニス肘・ゴルフ肘の治療

急性期は冷却、安静(運動の制限)、体幹・下肢を肘に負担のかからないトレーニングで強化する
状態をみながらマッサージ、電気療法、テーピングなどを行います。
肉離れ
筋肉が急激に収縮することによって筋膜や筋繊維などの筋組織が部分的に損傷したことをいいます。
ハムストリングス・ふくらはぎ・太ももに発生しやすく全体の90%を占めています。
好発年齢は30~40代の男性に多いです。
ケガをする主なスポーツ
スポーツ全般、ジャンプや走り出しなど強制的に筋肉に負荷が掛るスポーツ
肉離れの原因
十分に準備運動をしていない状態での運動、筋肉を酷使しすぎて疲労の蓄積柔軟性がないなどが原因となる可能性が高いです。
肉離れの症状
【軽度/1度】筋肉自体や筋膜にはほとんど変化がなく、筋線維が引き伸ばされた程度のもの。局所の圧痛のみのことが多い
★復帰予測:1~2週間でスポーツが可能
【中程度/2度】筋膜の断裂、ごく一部の筋線維の断裂があるが、圧痛だけではなく軽い。陥凹や運動痛もある。
★復帰予測:1~2ヶ月
【重度/3度】筋膜だけでなく筋肉自体にも部分断裂があり、圧痛、局所陥凹、 運動痛 も著しい。
★復帰予測:手術が必要となる事もある
肉離れの治療

急性期は「RICE処置」を行います。
スパイラルテープやキネシオテープ、包帯で圧迫・固定し経過をみながら治療を行っていきます。
足関節捻挫
足関節捻挫はスポーツによる急性外傷としては最も発生頻度が高くかつ重症度の高い外傷です。
ケガをする主なスポーツ
バレーボール・バスケットボール・サッカーなど、ジャンプをよくするスポーツ
足関節捻挫の原因
ジャンプなどにより足をひねった状態で体重をかけた事により起こります。
その内でも内反捻挫は重症になることが多い。
足関節捻挫の症状
【軽度/1度】靭帯の瞬間的な伸張機能的損失はない。
★痛み:軽度 ★腫れ:軽度
【中等度/2度】靭帯の部分断裂機能的損失。
★痛み:強い ★腫れ:両方ありえる
【重度/3度】靭帯の完全断裂機能的損失と不安定性。
★痛み:強い ★腫れ:強い
足関節捻挫の治療

急性期はRICE処置を行い、必要であればテーピング、包帯固定を行います。
症状がおちついてきたら電気療法や腓骨筋腱の強化などを行い早期回復、再発防止に努めます。
アキレス腱周囲炎
アキレス腱炎・周囲炎の殆どが、スポーツなどによるアキレス腱の使い過ぎによるオーバーユースで起こる事が多いケガです。
ケガをする主なスポーツ
中年以上のマラソンやウォーキングなど、足に繰り返し負担が掛るスポーツ
アキレス腱周囲炎の原因
スポーツなどによりアキレス腱に繰り返し負荷がかかり、アキレス腱に微妙な断裂が起こり腱や筋膜に炎症が起こり、加齢も一つの要因で、中年以上のランナーやウォーキングをしている人にも多く発症しているようです。
アキレス腱周囲炎の症状
アキレス腱付近の疼痛と腫脹、圧痛です。運動中や運動後、起床時の歩き始めなどに痛みが起こりやすくなります。
軽症であれば動作時の痛みだけですが、進行すると安静時痛もでてきます。
アキレス腱周囲炎の治療

急性時には、安静・アイシング・テーピング固定を行います。
落ちついてきたら症状に合わせて理学療法、電気療法、マッサージを行います。
予防の為にストレッチ(特にヒラメ筋)で可動域改善を行います。
内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯は、主に外反動揺性(外側に反る不安定性)を防止している靭帯で膝関節軟部組織の中で最も痛めやすいところです。
ケガをする主なスポーツ
サッカー・バスケットボール・ラグビー・バレーボール・柔道・野球など膝に負担が掛るスポーツ
内側側副靭帯損傷の原因
膝を強く外反するような外力が加わったり、コンタクトスポーツや方向転換するスポーツで多く起こります。
内側側副靭帯損傷の症状
関節内の血腫による腫れ、関節可動域制限があり、損傷の程度により不安定感が現れます。
内側側副靭帯損傷の治療

急性期は「RICE処置」を行います。
損傷の程度で治療法、治療期間が異なるので体の状態と環境を考慮しながら再発防止、痛みが残らないようにします。
外側側副靭帯損傷
外側側副靭帯は、主に内反動揺性(内側に反る不安定性)を防止している靭帯で構造上ほかの靭帯と一緒に損傷する事が多いです。
ケガをする主なスポーツ
サッカー・バスケットボール・ラグビー・バレーボール・柔道・野球など膝に負担が掛るスポーツ
外側側副靭帯損傷の原因
膝を強く内反するような外力が加わったり、コンタクトスポーツや方向転換するスポーツで多く起こります。
外側側副靭帯損傷の症状
関節内の血腫による腫れ、関節可動域制限があり、損傷の程度により不安定感が現れます。
外側側副靭帯損傷の治療

急性期は「RICE処置」を行います。
損傷の程度で治療法、治療期間が異なるので体の状態と環境を考慮しながら再発防止、痛みが残らないようにします。
前十字靭帯損傷
前十字靭帯は膝関節内の中央部で後十字靭帯という靭帯と交差するように存在し、大腿骨(ももの骨)の後方から脛骨(すねの骨)の前方に向かって付着しており、膝のねじり動作の際に、膝が崩れないようにストッパーの役目を果たします。
ケガをする主なスポーツ
サッカー・バスケットボール・ラグビー・バレーボール・柔道・野球など膝に負担が掛るスポーツ
前十字靭帯損傷の原因
急激な方向転換や急停止をしたり、膝の外反を強制された際に起こります。
前十字靭帯損傷の症状
損傷してしまった場合、激しい痛みが生じます。ですが歩行可能な場合も多く、腫れがひどい場合には可動域制限もあります。
膝の安定性がなくなりずれてる感覚がします。
前十字靭帯損傷の治療

基本的に外科的手術になりますので整形外科への紹介となります。
シンスプリント
スポーツにより、前脛骨筋付近やすねの辺りに痛みが生じる。
ケガをする主なスポーツ
陸上(短距離・長距離)・サッカー・バスケット・バレーなど、ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツ
シンスプリントの原因
ジャンプや走ったりを繰り返すことで硬くなった筋肉が原因で痛みがでます。
原因となる筋肉は前脛骨筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、長母趾伸筋などです。
シンスプリントの症状
すねの内側(または外側)に痛み、または押すと痛みがあったり、運動開始時と終了後に痛みがでたりします。
ひどくなると安静時痛、運動ができなくなったり、立ったり、歩いたりしていても痛みがみられます。
シンスプリントの治療

使いすぎにより発生することが多いので安静、患部を冷却、テーピングなどで固定。
症状がおちついてきたら温熱療法で早期改善、再発防止に努めます。